第5章 因縁と魔の者の新たな動き・其の二

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八雲双運が立ち去った後、倒れる恭一のもとへ、皆が痛みを堪え、ある者は足を引きずりながら、ある者は地面を這いつくばりながら近付き、そして崇が。 「大丈夫か…恭一」 そう声をかけると、恭一が。 「ああ…大丈夫だ…」 と返答し、そして美男が。 「八雲双運…は…恭一、お前に…何て言って…いたんだ?」 そう恭一に問いかける。 すると恭一は。 「意味は…分からない事を…俺のこの首筋の…ところにあるアザを見て…八雲一族の証…である紋章がどうとか…言っていた…」 そう答えると、これを聞き剱崎青龍が。 「八雲一族の証…の紋章ですと!」 そう目を見開き、そして剱崎青龍は恭一に「失礼します」と言って、恭一の首筋の辺りを確認すると。 「こっこれは…!」 と、剱崎青龍は驚いていた。 驚く剱崎青龍に娘の剱崎紫龍が。 「お父様…鏡くんの、このアザのようなモノに何か心当たりでもあるの?」 そう問いかけると、この娘の剱崎紫龍の問いかけに、剱崎青龍が説明を始める。 剱崎青龍の説明によれば、八雲双運の曾祖父の八雲運の祖父には8人の子があり、長男に八雲家を継がせて、残りの7人の子に新な家名をつくらせ、その家を7人の子に継承させた。 そして長男の八雲家を本家とし、次男の九十九家、三男の扇家、四男の雲竜家、五男の三枝家、六男の轟家、七男の久留生家、八男の鏡家これらを分家とし、本家と分家を総称して八雲一族と称した。 そして八雲一族のそれぞれの家を継ぐ者は、八雲一族のそれぞれの家の長として、 八雲家の家紋が幾重にも重なる雲に鷺(さぎ)、九十九家の家紋が幾重にも重なる雲に鶴(つる)、扇家の家紋が幾重にも重なる雲に鷹(たか)、雲竜家の家紋が幾重にも重なる雲に鷲(わし)、三枝家の家紋が幾重にも重なる雲に鸛(こうのとり)、轟家の家紋が幾重にも重なる雲に丹頂(たんちょう)、久留生家の家紋が幾重にも重なる雲に鳶(とんび)、鏡家の家紋が幾重にも重なる雲に朱鷺(とき)、これらの家紋を紋章と称し八雲一族の証として、それぞれの家の長は刺青を首筋の辺りに入れたのである。
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