第5章 因縁と魔の者の新たな動き・其の二

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恭一の言った事を聞き剱崎紫龍は思う。 (確かに八雲双運は強い、1度対峙した私にも分かる…鏡くんの言っている事も分かる…でも…やっぱり不安…) と、父の剱崎青龍の事が気になり、そして剱崎紫龍は愛美に「お願い…」と言い、美男を預けると1人、先に東側で戦っているであろう、父剱崎青龍のもとへと向かった。 それを見て愛美が「紫龍さん…」と、口にしたが、剱崎紫龍に愛美の発した言葉が届いたかは定かではないが、愛美は恭一に「急ごう…」と、目で訴え、これに恭一は頷き、そして恭一たちは、負傷している美男、崇、美鈴ら連れて東側の桃配山麓へと急ぎ向かおうとした。 桃配山麓へと急ぎ向かおうする、恭一たちに対して、可児才蔵が恭一たちを呼び止める。 「急いでいるところをすまぬが聞きたい事がある?」 と、可児才蔵が恭一たち問いかけた。 すると恭一が振り返り。 「何でしょうか?」 と、可児才蔵にたずねると、これに可児才蔵が。 「八雲双運なる者は、まことに強いのか?」 と、問いかけて来た。 すると恭一が頷き。 「ええ。我らが束になって挑んでも勝てないかもしれない奴です」 そう返答して、そして恭一たちは、剱崎紫龍の後を追いかけ、急ぎ向かったのである。 恭一たちが立ち去った後、可児才蔵は恭一たちを見送りながら。 「あれほどの力がある者たちが束になって挑んでも敵わぬ相手か…」 と、可児才蔵は呟くと。 「いって八雲双運なる者の強さを確かめねば気が治まらぬな」 そう続け、可児才蔵は馬へと飛び乗り、恭一たちが向かった、桃配山麓へと馬腹を蹴って、恭一たちの後を追いかけ、可児才蔵に続き、八雲双運に興味を持った戦国の猛者の島左近、後藤又兵衛らが、馬へと飛び乗り、可児才蔵の後を追いかけた。
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