第5章 因縁と魔の者の新たな動き・其の二

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恭一たちと、可児才蔵らが関ヶ原の東側、東軍方の本陣がある桃配山麓近くに向かっている頃、剱崎青龍は本多忠勝と井伊直政と共に、八雲双運と戦いの最中にあった。 八雲双運は恭一が言うように、恭一たちが束になって挑んでも敵わぬほど強く、剱崎青龍、そして戦国の猛者の本多忠勝と井伊直政、この3人がかりでも余裕な表情で戦っていて強かったのである。 本多忠勝と井伊直政は、八雲双運と戦う前、剱崎青龍の提案した策に乗った。 剱崎青龍は先ず、金縛りの術にて八雲双運の動きを止め、その隙に本多忠勝と井伊直政が、八雲双運を攻撃する策を提案、気を集中させて呪文を唱え、八雲双運の動きを止めようとした。 だが、八雲双運はニヤリと笑みを浮かべ。 「そんな阿呆な術など俺には効かぬ」 と、言い放ち、剱崎青龍の金縛りの術が、効いたと思った本多忠勝と井伊直政の攻撃を簡単にかわし、まるで本多忠勝と井伊直政を赤子をあしらう如くであった。 金縛りの術が、八雲双運に効かないと分かった剱崎青龍は、次なる策を労した。 続けて剱崎青龍の策は、本多忠勝と井伊直政に八雲双運へ矢継ぎ早に攻撃させ、その間に間隙を縫って、剱崎青龍が気功波をくらわすというものであった。 本多忠勝と井伊直政は、剱崎青龍の策の通り、八雲双運へ矢継ぎ早に攻撃をしかけ、そして剱崎青龍は、その間隙を狙った。 だが、この攻撃も八雲双運には通じなかったのである、八雲双運は再び本多忠勝と井伊直政を赤子をあしらうように、そして気合いだけで、本多忠勝と井伊直政を吹き飛ばし、本多忠勝と井伊直政は体をくの字に曲げて、後方へと吹き飛ばされ地面を転げ、そして八雲双運は素早く剱崎青龍の近くまでやって来て。 「お遊びはここまでだな」 と、八雲双運は言い、そして剱崎青龍の腹部に右手を添えニヤリと笑み浮かべ、そして剱崎青龍に近接の気功波をくらわしたのである。 近接で八雲双運の強烈な気功波をくらった、剱崎青龍は顔を苦悶の表情を浮かべ、体をくの字に曲げ、後方へと吹き飛ばされ、地面に叩き付けられ、そして地面を転げ、すぐに立ち上がれずにいた。
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