第5章 因縁と魔の者の新たな動き・其の二

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吹き飛ばされ地面を転げていた、本多忠勝と井伊直政は、しばらくして立ち上がり、そして本多忠勝と井伊直政は思っていた。 (これほどまでに強い奴と戦うのは初めてだ…そして死など恐れぬ我らが死の恐怖を感じ始めている…) そう思って、本多忠勝と井伊直政は唾をゴクリと飲み込み、そして身動きが取れずにいた。 そして剱崎青龍は、苦悶の表情を浮かべながら、迫る八雲双運に対処すべく、立ち上がり。 「や…八雲…そ双運…お…お前の思い…ど…通りには…さ…させん!」 そう言って、剱崎青龍はバタリと、その場に倒れ込んでしまった。 倒れ込んだ剱崎青龍を見て、本多忠勝と井伊直政は覚悟していた、自分たちは剱崎青龍と同様に八雲双運に殺られると…。 そして八雲双運は本多忠勝と井伊直政へ、交互に視線を移してから、ニヤリと笑みを浮かべ。 「さしもの戦国の猛者でも、この状況に覚悟するしかないか」 そう八雲双運は呟くと、剱崎青龍にとどめを刺すため、ゆっくりと歩みを進め、剱崎青龍に迫った、その瞬間である。 八雲双運が、大きく後方へと吹き飛ばされ、あれ程の強さを誇った八雲双運が、地面を転げていて、本多忠勝と井伊直政は、自らの目を疑っていた。 そんな中、上空から剱崎青龍の傍に、1人の女が舞い降り、剱崎青龍を抱き上げ「お父様!しっかりして!」と、涙声で剱崎青龍に声をかけていた。 そう、八雲双運を吹き飛ばし、上空から舞い降り、剱崎青龍を抱き上げ、声をかけるのは、剱崎青龍の娘の剱崎紫龍であった。
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