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月曜日、普段通り会社に出勤した弘美は山沢先輩に自分の金曜日の様子をそれとなく聞いてみた。 「金曜日?楽しかったわ。有難う。また飲みましょう」 「私飲み過ぎてませんでした?」 「いいのよ。飲んでくれた方が嬉しいわ」 「酔っぱらっちゃってすみません」 「あら。全然普通だったわよ」 どうやら、もう一つの人格である沙也加は出てこなっかたらしい。 弘美はホッとした。 (お酒を飲んだらでる訳ではないのかな) あれから色々考えた結果、お酒を飲んで記憶が途切れる時に沙也加がでていると考えたのだが、先輩の様子だと少し違うようだ。これで禁酒しなくて済むと思うと沈んでいた心も少しは楽になった。やはりたまにはストレス解消の為、お酒を飲みたい。弘美は今週は週末予定がないので一人で家で晩酌しようと考えた。一人なら心配する必要もなさそうである。 無事に仕事を終え、家に帰ると母から電話があった。 「もしもし、この前送ってもらったお金の事だけど、あれ位では全然足りないわ。もう少しどうにかならないの?」 「お母さん、私だって今月ぎりぎりなの。もう無理よ」 「じゃあ、誰かから借りられない?親しい人居ないの?」 「親しい人なんていないわ」 母に塚越さんの事がバレたら大変である。 「でもこの前弘美が男の人と仲良さそうに歩いていたの見ていたお客さんがいるのよ」 ヤバい。いつ見られたのだろう。 「会社の人じゃないかしら」 「金曜日の真夜中に会社の人と何していたのよ」 金曜日?!金曜日は塚越さんとは会っていない。 沙也加だ!
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