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「一度帰って出直すか。お金を稼ぐのも楽じゃないわ」 すると 「あれ。お姉さん一人で飲んでいるの?仕事帰り?」 一人の男が声をかけてきた。 「そうよ。一人ぼっちなの」 「可哀想に。一緒に飲まない?」 「いいけど、私お金が無いから帰る所なの」 「僕が奢ってあげるよ。心配しなくていいから。何を飲む?」 「じゃあ。カクテルを頂くわ」 「つまみも好きな物を頼んでいいからね」 「有難う」 沙也加はお礼を言うと男の服装を値踏みした。高そうなスーツにブランド物のネクタイ。お金を持っていそうである。 「一緒に飲んでいたら、彼女に悪いみたい」 「彼女はいないよ。君は?」 「私は彼氏はいないわ。それじゃあ仲良くしましょう」 二人は乾杯をした。 数時間後、二人はベットの中にいた。 「夢みたいだな。こんなに可愛い女性と一緒に居られるなんて」 沙也加はお金を貰いたかったが、なかなか値段交渉ができずにいた。男が真面目な性格に思えたからである。 「沙也加ちゃん。順番が逆だけど、僕と付き合ってくれないか」 それは困る。沙也加の本業である売春ができなくなってしまう。 「嬉しいけれど、私は忙しいの」 上手く理由をつけて断ろうと思った。男なんて身体が目当てなのだから。私はお金が貰えればそれで良い。そうだ。この男お金を持っていそうである。上手くいけば売春以上にお金が稼げるかもしれない。 「それなら、お付き合い記念に何かプレゼントが欲しいな」 「付き合った記念かー。何が欲しい?」 「バックとか指輪とか」 「いいよ。今度一緒に買いにいこう」 沙也加は喜んで男の頬に口づけをした。 「来週の土曜日はどう?名刺を渡しておくよ」 男の名前は西林遼と書いてあり、大手キッチンメーカーの営業職らしかった。 「じゃあ。電話するわ」 「電話でもメールでも待っているよ」 二人は再びベットの中で抱き合った。
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