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「また記憶が無い・・・」
弘美はマンションの部屋で一人つぶやいた。もうお決まりの事だ。よく酔って記憶をなくす人が居るというが、自分もその仲間入りなのだろう。少し節酒をした方が良いのかなと思う。でも自分には無理そうだ。お酒を飲んだ時、内臓が温まる時の感じ。あれが止められそうにない。それにちゃんとパジャマに着替えて寝ているということは、ある程度しっかりしていたのだろう。
(大丈夫。大丈夫)
弘美は悪い方に考え無い事にした。念の為、バックの中を確かめる。今回はお金が増えている訳ではなさそうだ。
そう言えばあのお金、キャッシュコーナーで調べたが、銀行から引き落としている訳では無かった。一体何のお金だろう。弘美は不思議に思ったがそのお金は母親に振り込んでしまっている。そういえば母親は今月もお金が必要だと言った。渡さなければ色々な手段で嫌がらせをされるに違いない。一体どうやってお金を捻出するべきだろう。アルバイトでもしなければやっていけないに違いない。弘美は色々嫌な事を頭から振り払って、大好きな読書をして土曜日を過ごした。
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