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「ティナはうちの診療所の見習いなんだ。できることは限られるが、腕は確かだから安心しておくれ。」
師匠が彼女の頭を撫でながら自慢気に言うと、ティナは照れくさそうに微笑んだ。
すると師匠は僕の方へ向き直り、真面目な表情で告げる。
「さて...治療を受けたと言うことは、それなりの代金を貰わなきゃいけないね? 運び込んだのはこっちだから入院費はサービスしてあげるけれど、手術代と薬剤費は頂こうか。」
「あっ、もちろんお支払いします!」
僕は部屋の脇にかけられていたスーツのポケットから財布を取り出し、「カード決済で」と言ってクレジットカードを差し出した。
「は?」
「え?」
「...?」
突然固まってしまった2人に僕も動揺してしまう。
「あっ、現金決済でしたか...? 今数万しか持ってなくて...下ろしてきます!」
今ある分だけでも、と財布から現金を取り出して渡すとやはり固まる2人。
「あ...あの...」
「そんなお金、見たことありません...」
目を丸くしたティナがポケットへごそごそと手を突っ込み、数枚の硬貨を取り出した。
(何だこれ... こっちこそこんなお金知らない...)
それは形も色も僕が使っている物とは程遠く、明らかに異国の物だとわかるような見た目だ。
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