Chapter.1 不穏

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「……やっぱり、春の朝はまだ寒いなぁ」肌を軽く突く寒さに思わずそう言って、ため息をつく。コートを取ってきてもいいのだが、電車の中は恐らくラッシュで混み合っててとても暑いだろう。そうなると邪魔になってしまうので置いてくることにした。そうこうしているうちに駅に到着したので切符を買い、到着していた電車に乗り込む。 通勤する人が多いのかはたまた俺と同じ番組を見て行きたくなった人が多いのかと考えざるを得ないほど電車の中はぎゅうぎゅう詰めだった。互いに互いを意図せず押し合い、揺れで倒れそうになる。 電車を利用しようと思ったのは歩くのが少し面倒だったから。自宅から15分でやっと着くとなると、往復で30分もかかってしまう。アルバイトは午後の5時からなのでまだ時間に余裕はあるが、それでもやっぱり前もって疲れたくはない。揺られ始めてから5分後、目的の場所の最寄駅に到着した。そこからさらに2分ほど歩いてとある公園に到着した
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