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亮介、友哉の二人もスマホに耳を当てたりしていたが、やがて電源を落とした。
「駄目だ、外とつながらない。こんなこと一度もなかったのに!」
友哉がうめくと同時に、直秀がすぐに大広間を飛び出した。あわてて後を追うのは亮介。
「どうするんだ?」
「さっさとこの館から出るんすよ。殺されるなんて御免っす!」
ドタドタと走り去る二人に続いて、幸人や茜、百合子、友哉までもが飛び出した。
先ほど茜たちが進んだ廊下を突き進み、あっという間に玄関口へたどり着く。
「くっそ、こんなところにいてたまるっすか!」
直秀が館のドアノブを握り、一気に引っ張る。
ガチャ!
鈍い音がした。ガク、と直秀の両腕が伸びきった。しかし扉は開かない。直秀はさらに力を込め、ガチャガチャと狂ったようにドアノブをひねり続けた。
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