チョウサ

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チョウサ

 ≪一年前≫  一年前、立花茜たちは歴史探究部の一環として、いまだ誰も調査に入っていない洞窟を訪れることとなった。近くには弥生時代の有名な村があった。教科書に載っている、九州方面の村。そちらの村の跡を満喫した直後、茜たちはついでにという名目で訪れる羽目になったのだ。  提案者は、好奇心だけは無駄に旺盛な大村浩二。真っ先に提案に乗ったのが、祭沢幸人と、面白そうだな、と言った木村亮介。そして、風見友哉と妹尾百合子と同世代である、君島章之という部員だった。  彼は、すべてに秀でた人だった。運動も勉強も、うちの部活内ではダントツだった。友哉すら勉学で勝てなかったほどだった。それでいて明るい人柄で、いつも誰かに慕われていた。茜の印象としてはいつも首に着けているネコのキャラがついたネックレスを付けている完璧な人、というものだった。
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