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気づいたら、十二月も下旬にさしかかっていた。
バタバタと忙しくて、毎日帰りが遅くなって汐音に悪いことをした、と思う。
あの子は、わがままを言わずにちゃんとしていてくれるから、なおのこと。
やっとこさ仕事が一段落して、今日は午後半休がとれた。早めに家に帰って汐音をびっくりさせてやろう、なんて思いつつ、帰りがけにショッピングモールに寄ることにする。
もうクリスマスが目前だ。ショッピングモールには大きなツリーやリースが飾られていて、サンタクロースのオブジェが吹き抜けになった天井からつるされている。なんだかつまらない、なんて思いつつ、そうも言っていられない。宙ぶらりんのサンタクロースを眺めれば、考えることは一つ。
小学三年生って、サンタクロースはまだ信じているのだろうか。
ここ数日、私の頭のいくらかを、この疑問が占めている。
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