第三章 幽霊達の協奏曲 後編

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私は今疑問を感じている。ナイフが飛び出る程度のギミックだけでこれというデスゲーム要素は存在しなかった。しかもその中にあるボタン。それを押すだけで扉が開くなんて。簡単にもほどがある。そして思いついたとしたら一つ。私の力試しといったところだろうか。あの人と私をつけ狙う誰かが同じ人物なら殺したい相手は確実に私だ。ならまずは偵察だ。辻褄は合う。私はとりあえずそういうことだと仮定して次の疑問に移った。それはあの時の止まった空間のことだ。あれは現代の最先端技術を持ってしても解明が不可能な出来事、所謂心霊現象や超能力だ。そもそも私に超能力などというものは初めてだ。その証拠として今まで心霊現象を信じていなかったのが当てはまる。つまりこれは私が起こしたものではなく外部からの故意的なものだと理解せざるおえなくなる。私は思考を続けた。 (恐らく彼女は自分の力に気づいていない)教室で次の授業の準備をしつつ緊急学校閉鎖になってくれればなとか思いながら冷夏のことを考えていた。予知。と言っても反射神経を超える銃弾を連発されれば全て避けることは普通は不可能なのだ。それを体現した者がいるのだ。その攻撃は銃弾なんかのスピードを超えていた。少女の手元で何かが光ったと思ったらすでに被弾しているレベルのスピード。つまり光のスピードの銃弾が発射されているということだ。でも彼女はそれを上回っている。つまり一秒で世界を7周半する光よりも早い速度で頭が動いているのだ。でもそれはやっぱりありえない。この世で光よりも早く動くものがあったら世界の理は簡単に崩壊している。つまり少女の攻撃には何かわかりやすい何かがあったのか?それともう一つ。あの時間を止める能力。廊下で冷夏に聞いたが。あれは霊的なものだと推測しているそうだ。確かにそれも一理あるがそれは自分の     
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