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もし、これを誰かが読んでいるとしたら、私は死んでいるでしょう。なんてベタな台詞を考えてみたのは良いものの、遺言で書くことなんて思いつきませんね。なので私は思い出でも書こうと思います。私は、仲のいい八人のグループのようなものに入っていました。その間には喧嘩などはほとんどなく、何不自由ない友達関係を築いてきました。それは霊奈と冷夏の二人のおかげだと思っています。霊奈は強くて、いつもからかってくる男子などから助けてくれる、頼れるリーダー的存在でした。冷夏は優しくて、いつも私達のことを気遣ってくれていました。入学式のとき、学校で唯一仲良かった二人は、遊びに私を誘ってくれました。それからというもの私達は何をするにも一緒にいました。その時間は私にとってとても幸せな時間でした。そして今。制限時間が刻一刻と少なくなっている中、私はそんな幸せな時間を思い出していました。これを読んでいるあなたは、友達を大切に
しましょうね。私は…
文字は中途半端なところで終わっていた。私はその紙を冷夏に返す。冷夏はそれを内ポケットに入れた。そこで私はあることに気がつく。この教室に鍵があるわけ無いと。このデスゲームを行っている理由は、恐らく冷夏だ。私は偶然巻き込まれただけだ。鍵があるとしたら外側だ。私は殆ど勉強していなかった意思伝達を使って花子さんに話しかける。
『私の教室の鍵をとってきてくれない。4分以内に』花子さんは事情を説明するまでもなくすぐに鍵を取りに行ってくれた。冷夏ほど早く意思伝達はできないが、これでも上々だろう。ほんの数秒だった。ガチャという音とともに、扉が開いた。これでとりあえず行動範囲が拡がった。鍵が取りに行けるようになったので、だいぶ楽になるだろう。煙のような何かがそこに水を指す。
「最初の試練はこれでクリアです。これは正規ルートですね。なので職員室の鍵は開けておいたが、今はもう閉まっていますよ」そう言うと煙は消えてしまった。私達は3階東側のトイレに向かった。
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