クリスマスの祈り

1/3
前へ
/3ページ
次へ
今日はクリスマス。雪降るかな・・・ 「おい、早瀬。これ」 放課後、日直の仕事で宿題を運ぼうと教室を出ると後ろから声を掛けられた。 「え?」 振り返ると幼馴染の高丘泰輝がノートを持って立っている。 「もーまた遅れ提出?いい加減時間までに出しなよ。中3になってまで宿題ちゃんとできないなんて小学校戻ったら?」 「うっせー」 そのままノート渡して返っていくんだろうな・・・と思っていると、泰輝は3分の2ほどのノートを私からかっさらって前を歩き出した。 「え、ちょっ!」 「どーせ落とすんだろ?手伝ってやるよ」 「・・・ありがと」 泰輝とは小学校の頃は毎日一緒に遊んでた。家が向かい合わせだから親同士仲が良く、いつも一緒だった。 でも、中学に入ってからは疎遠になっていた。と言ってもクラスが離れた訳じゃないからたまに喋ったりはするけど、昔みたいに名前で呼んでくれることはなくなった。呼ぶときは大抵「早瀬」って名字で呼んでくる。 私は物心ついた時から一緒にいた泰輝のことが好き。 でもその思いは中学卒業間近になった今でも言えていない。 卒業までには言いたいな・・・ なんてことを考えながらノートを職員室まで運び終える。 「失礼しましたー」     
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加