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「私は、人を殺したの」
私の告白に、ピーターは大きな瞳をぱちくりとさせました。
「それは君の大切な人だったの?」
「……ええ。とっても、とっても大切な人」
「どうして殺したの?」
「憎くて、憎くて堪らなくて。抑えられなかったの」
「殺して清々してる?」
「いいえ、後悔ばっかりしてるわ……」
「許されたい?」
私を赤い瞳で見つめるピーターは、にっこりと微笑みます。
その微笑は、優しく、私を甘やかすような、そんな天使のような微笑でした。
その微笑の前では、何もかも許されてしまうような、そんな錯覚を私は覚えたのです。
「……許して欲しい。私を、許して欲しいの」
その時、ヒュオッと大きな風が私の髪を揺らしました。
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