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そん悪ガキね、鶏が首無しになっても生きてたんが面白かったらしくて、同じことできんか何度も試すようになったんやそうです。
鶏の扱いに困っとった他の家からもらったり、ガキ大将やったもんやから、おとなしい子が育ててた鶏脅し取ったりして集めて、次々に首を切り落としたんやとか。
最初のうちは、首切り落とされた鶏はどれもこれも死んでもうて――まあ、当然ですわな――せっかく集めた鶏はすぐ全部のうなってしもうたんやそうです。
それでもそいつは諦めきれんくて、次の縁日の時に、売っとったひよこ全部買い占めたそうですわ。まともな親やったら首切るためにひよこ買うとか許さん思うんですけど、そのうちは金だけ渡して子供はほったらかしにしとったみたいです。家に帰ること自体ほとんど無い親やったっちゅう話ですわ。
で、話戻しますと、そん悪ガキはひよこが鶏になったら、また首を次々と切り落としていったんだとか。普通やったら、ひよこから鶏育てとる間に飽きて他のことに興味が移りそうなもんですけど、そいつはそうはならんかったんですな。
え? 普通だったらそもそも鶏の首を趣味で切ろうなんて思わない? はは、そら確かに。
まあ何度もそんなことしとるうちに、ついにそいつはコツを掴んだらしくて、鶏を生かしたまま首を切り落とせるようになったそうですわ。さっきあんたが言っとった脳幹?とかいうんが残るような切り方を覚えたっちゅうことなんですかな。
そうやってそいつは、次々と首無し鶏を作っていって、そいつん家の庭は首無し鶏が群れでうろうろするようになったっちゅう話です。
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