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「じゃあよぉ、コタツでアイスは??」
「無論だっ、あれは悪魔的な美味しさだ……。」
「そうだよなっ!すっげぇ悪い事してるみたいな感じするよな!」
「うむ。やめられない怠惰だな。」
「でも金持ちはトイレとか寒くないんだろ?」
「そんな事はないぞ。ウチのトイレは夏は外よりも暑いのに冬もとんでもなく寒くなるからな……。」
「あははっ、すっげぇわかるわっ!!」
ちょっとしたきっかけで、思いがけず話が弾む。
恒星も大毅も、お互いに特に仲の良いと言える者がいなかった分、今の時間がとても楽しくて堪らなかった。
「あぁ、そうそう。ほら、今日のご褒美だ。」
「奢ってくれんのかよ。」
途中、自動販売機を見つけ、大毅が財布を取り出す。
「今日は頑張っていたし、その方が精も出るだろう?」
恒星は暫く悩んだのち、サイダーのボタンを押す。
すると機械は、ガコンと音を立てて取り出し口から水色のラベリングがされた清涼感のあるペットボトルが出てきた。
「やったー、サンキュー。」
「いやいや!良き友人として、これからも頑張ろうな!」
サイダーを一口飲む恒星。
それを清々しい笑顔で笑う大毅。
その彼の口から飛び出た【友人】という言葉が、突然恒星の心臓に重く突き刺さった。
「あぁ……そ、そうだな。」
友人で当たり前のはず…
何故が胸が苦しいのは、きっと炭酸のせいだ。
そう力尽くで理論付けて、恒星は笑った。
寒い風が二人の間を通り抜けた。
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