11帰宅路と自問自答

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有り合わせの具材と最近の料理を鑑みた上で、コンロから流し台の間を忙しなく移動する恒星。 彼自身料理が得意と言うほどでは無いが、嫌いではなかった。 効率の良い手捌きで、だんだんと部屋の中に良い匂いが漂ってくる。 「……はい、コンソメスープとナポリタン、あとサラダ。」 男子高校生が作ったとは思えないとても美味しそうな料理を、テーブルの上に置く。 母はナポリタンに視線を移すと 「えー、口紅塗り直さなきゃじゃーん。」 と、子供のような愚痴を溢しつつも、その目の奥は今すぐに食べたいという心が透けて見えている。 「冷めるだろ、早く食えよ。」 「いっただっきまーす♪」 無邪気に笑って、大きな口でナポリタンを頬張る白星を、これじゃどっちが子供なんだと思いながら、料理道具を洗いに台所へ戻る恒星。 すると、その彼の背中に 「どうしたの?何かあった?」 突然、そう疑問を投げかけられた。 どきり。 帰宅してから今まで、そんな発言はしていなかったはず。 表情だって、台所に立っていたんじゃ後ろ姿で見えないはずだ。 だが、そこは母の勘という奴なのか、それともホストの職業病なのか……。 息子の全てを見透かすようなその言葉に、恒星はやはりこの人には敵わないなと思った。
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