3校舎裏の夕陽

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ーーー 「……おかしい……いよいよ何処にも居ねぇ。」 校内を数周して、恒星がふと口にした。 いつもなら探さずとも勝手に寄ってくる筈の大輝の姿が、今日は一向に見当たらないのである。 「先に帰った……?いや、アイツに限ってまさかな。」 いつも誰よりも早く登校し、誰よりも遅く帰る様な生活の大輝。 彼の放課後は、部活動生達に無駄な声援を掛けたり、意味もなく教室に残った生徒を指導するのが日課になっていた。 それなのに 「え?風紀委員長?そういえば、いつもならこの時間ぐらいに来るんだけどなぁ……」 校庭の野球部も 「そうなんだよ!毎日ウチらが残ってたら『早く帰って勉強しないか!』って怒鳴ってくるのにねー」 教室で談笑するギャルも。 誰も、彼の姿を見ていないのである。 ……そうしているうちに、恒星の頭には、段々と嫌な感情が積もっていった。 「……どうなってんだ…ッ…!!」 見つからない苛立ちを隠しきれず近くの壁を殴る。 鈍い音と痛みが響いた。 何故見つからないのか。 何処に行ってしまったのか。 何を、こんなに苛立っているのか。 全てがわからない。 この訳の解らない感情の所為で、自分が今までとは違う何かになってしまう事が、恒星にとって、実際は怖くて仕方がなかったのだ。 「…………あ?」 混乱による頭痛で目眩がする。 そんな霞んだ視界、ふと目の前の窓の外に、ずっと探していた大輝の姿があった。 「アイツ…あんなところで何やって……。ーーー!」 若干の安堵と嬉しい気持ちを抱きながら徐々に視界が回復してゆく。 しかし、 鮮明に見えた彼の姿はーーー
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