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美羽だったときの記憶や知識は、この世界を生き抜くのに役立つだろう。
人間あきらめが肝心と言うか、分からないことはいくら考えてもわからないのだから、わかる事からやってくしかないと潔く受け入れて頑張れることを頑張ろうと思う。
そして命を狙われるというこの物騒な世界で生きていく為に、まず自分が信用できる人間を選別することにした。
うーん、父上(カイン・アークフィル公爵)と母上(ルミネ・アークフィル)は、まあよしとして私の側近よね?
よほど信用のできる相手でないとね。
ベッドの上であぐらをかきつつ、人差し指でこめかみをぐりぐりしながら考える。
およそ貴族のお姫様らしくない仕草ではあるが、もともとのルミアーナの意識よりも美羽の性格がすっかり定着してメインになってしまったようで、いたしかたない。
ルミアーナの記憶もあるにはあるが、かなり混沌としている。
まるで記憶の引き出しを全部ひっくり返したような状態とでも言おうか?思い出したいものを一所懸命探し当てないと出てこない感じである。
とりあえず、自分が目覚めたとき大慌てで涙ぐみながら父上母上を呼びにいってくれた侍女は信用出来そうである。
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