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002.ラフィリルの眠り姫
表向きは平和で富める王国ラフィリル。
中でも王宮のある都ラフィールは、街全体が美しく華やかだ。
煉瓦造りの町並みに綺麗に舗装された石畳の道筋。
様々な国から商人が集い諸外国からの交易もひっきりなしの賑わいである。
そんな街中で、今、話題となっているのが「ラフィリルの眠り姫」である。
王家の信頼も厚いカイン・アークフィル公爵の一人娘ルミアーナ。
柔らかな金色の髪、どんな宝石も霞むような美しい双碧の瞳。
一年も前の事、その美しさと賢さを妬まれて魔女に呪いをかけられたという噂の姫君の話である。
実際のところは魔女の呪いとかではなく、暗殺未遂事件では?というのが濃厚な線ではあるが、魔法も呪いも存在するこの国で究明は難しく捜査は迷走している。
事件は未解決のままで犯人もわからずじまいである。
捜査を行っている軍部の見解も、未だ曖昧で貴族間の陰謀に巻きこまれ命を狙われ、毒を仕掛けられたのではなかろうか?という事らしい…。
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