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「優勝、私立北洋学園高等学校、影山順也」
順也の名がアナウンスされ、会場内に割れんばかりの拍手が沸き起こった。前人未到の三連覇を達成した天才が誕生したのだ。
優勝セレモニーでは楯と賞状が手渡され、初めて順也の顔に笑顔が戻った。そんな涼やかな眼差しが探すのは、ただ一人…。
「順也さんっ!!」
「岳!!」
拍手と歓声の群集のなか、大きく手を振って笑う恋人。
………ねぇ、岳……。もう迷わずに歩けそうな気がしたよ。
だからこの先一緒にさ…アンタも歩いてくンない?オレはアンタと生きていきたい。
瞳に映る彼をいつまでも想いながら、順也は心の底から幸せそうに笑った…。
***************
北洋学園高等学校はインターハイで好成績を修め、帰路の途上にあった。新幹線のなかでは誰もが疲れ果て、豪傑な鼾をかいて寝ている者もいた。
そんな中、順也と岳だけは感慨深い様子で手をこっそり繋いでいる。
「引退は残念だけど……」
順也は穏やかな口調に戻っていた。
「オレはもっと強くなれる気がするよ。そして…」
岳を絶対に離さない。
「シッ!順也さん、声が…大きいです」
照れながら慌てる岳に、順也はイタズラっぽく彼の体を引寄せ………皆が寝ている隙に、そっと優しいキスをするのだった………。
ende
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