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「まさか、ぜんぶ脱がせたのか」
「やだ、そんなワケないでしょ。パジャマの上着替えるの手伝っただけ。坊だって自分でパンツくらい脱げるでしょ」
「パ……」
あっけらかんと言う美里に、亮次は一瞬沈黙する。
「ちょっと、なに動揺してんのよ。坊の裸なんていつも見てるんじゃないの?」
「いつも見てるって、……変な言い方すんな」
「変なのは亮次じゃない。まったく坊のこととなったら必死なんだから」
意外なことを言われて亮次は思わず美里を見つめた。
「まあ、それは坊も同じだけど」
「……どういうことだ」
「どこかのイケメンさんに夢中ってこと」
「なんだそれ」
「今日一日じゅうね、起きてる時はずっと玄関の方見てたんだよ。亮次が早く帰って来ないかなーって、目がそう言ってるの。ご飯食べてるときも、蒸しタオルで顔拭いてあげてるときも、ずーーーっとね。あたしそれ見てたらなんか胸がキューンってしちゃったよ」
亮次は苦笑して見せたが、その様子を想像すると、坊がどうしようもなく愛しいような気持ちになった。
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