第三章 兄貴の花

12/12
227人が本棚に入れています
本棚に追加
/101ページ
「でもやっぱりこのままじゃ駄目だよね。保険証もない状態じゃ、今後大きな病気になったり怪我したりしたら大変だもん。ちゃんと考えなきゃ。これからも坊と一緒にいたいならね」  それは亮次も考えていたことだ。特に今回のことで切実に思い知った。  坊が亮次と一緒にいることで不幸になったり、万が一、命を落としたりしたら悔やんでも悔やみ切れない。 「亮次?」 「……ああ、考える」  亮次は坊の頭をそっと撫でながら低く答えた。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!