第四章 笑えよ、坊…じゃないと俺は……

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「……あ、……いや、ごめん……坊」  亮次も自分の行為にひどく驚いていたので、坊の身体に起こった変化に気付くのが遅れた。  まだ泡が残ったまま風呂場を出ようとする坊を慌てて捕まえて、シャワーの下に戻したとき、そのちいさな顔が微かに赤くなっていることに気付いた。 「え、」  目を坊の身体に移すと、ささやかな彼のそこが、かすかに反応しているのが判り、その意味に気付いたとき、亮次のなかで唐突に激しい熱が沸き起こった。 (坊が……、欲情してる……?)  そしてそれを恥ずかしがっている。  そう気付いたとき、亮次は俄かに鼓動が激しくなるのを感じた。それは坊が初めて見せた、はっきりとした彼の感情だった。  これまでずっと、坊の何もかもが未成熟な様子を見ていただけに、その反応はあまりにも新鮮で、同時に坊が亮次と同じように、健康な身体を持った男子であることに遅まきながら気が付いたのだ。
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