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一角竜が突撃する間に詠唱を行っていたライナは一角竜が救援隊の只中に突入するタイミングに合わせて炎の範囲魔法を放ち、ライナが紡いだ言霊に呼応して生じた無数の火球が混乱する救援隊目掛けて放射状に発射される。
放射状に発射された火球は混乱する救援隊の其処彼処で炸裂して将兵を薙ぎ倒し、崩壊しかけていた救援隊の戦意はその攻撃によって完全に消散してしまう。
戦意を完全に消失した救援隊の兵士達は我先に逃亡を始め、メタルゴーレムとトーテムミノタウロスがその背中に光弾や光線を叩き込む事でその壊走に拍車をかけた。
「フフフ、やってるわね」
「……アイリス様!?首尾は如何でしたかっ!?」
救援隊を壊走させたライナと一角竜がリーナとアリーシャの所に戻るとそこにはアイリスの姿もあり、アイリスに声をかけられたライナが一角竜から降りつつ勢い込んで問いかけるとアイリスは誇らしげな笑みと共に後方を示す。
アイリスの示した先には救出されミランダ達とアイリーン達がミリアリアと共に到着しており、見馴れぬ3体の使役獣の姿に強張った表情を浮かべている彼女達(ミリアリアは苦笑を浮かべていた)の姿を確認したアイリスは安堵の表情を浮かべているライナ達に声をかける。
「救出も終わったから、さっさとこんな陣営(ところ)からオサラバしましょ、使役獣達に戻れって命じて頂戴」
「分かりました、ありがとう、戻れっ!!」
「お疲れ様、戻ってっ!!」
「お疲れ様、またお願い、戻って頂戴」
アイリスの言葉を受けたライナ達が3体の使役獣の労を労いながら帰還を命じると3体の使役獣は眩い光と共に姿を消してライナ達の手の中にカプセルとして戻り、アイリスはそれを確認した後に上空で羽ばたくフォレストドラゴンに声をかける。
「それじゃあ総仕上げと行きましょう、回収お願い」
……心得た……
アイリスの言葉を受けたフォレストドラゴンは短く応じながら広場に着陸し、その後に状況について行けず戸惑いの表情を浮かべているミランダ達とアイリーン達に念話で語りかける。
……虜囚となりし森の民達と狐人の姫達よ、我は魔王アイリスの同盟者(フェデラートゥス)戸惑うのも無理は無いが今はこの地を脱する事が先決だ、速やかに我の背中に乗るのだ……
「わ、分かりました、総員ドラゴンの背中に乗れっ!!」
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