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「仰有る通りですわ、皆様、直にドラゴンの背中に乗りましょう、この忌まわしい場所から離れるのです」
フォレストドラゴンの言葉を受けたミランダとアイリーンは相次いで指示を送り、それを受けた女エルフ達と狐人族の女達は急いでフォレストドラゴンの背中によじ登る。
全員がフォレストドラゴンの背中に乗ると周囲を警戒していたライナ達もフォレストドラゴンの背中に乗り、全員が背中に乗ったのを確認したアイリスは傍らのミリアリアに視線を向けながら口を開く。
「フフフ、それじゃあ行きましょう」
「……あ、ああ、そ、そうだな」
アイリスに声をかけられたミリアリアは少し恥ずかしそうに頬を赤らめながら頷き、その様子を目にしたアイリスは愛しげに目を細めつつミリアリアを抱え上げる。
アイリスに抱えられたミリアリアはフォレストドラゴンに乗った女エルフ達と狐人族の女達が頬を赤らめながらこちらを見ているのに気付くと笹穂耳まで真っ赤になってしまい、アイリスもその姿に頬を仄かに赤らめさせながらフォレストドラゴンに声をかけた。
「それじゃあ行きましょう」
……了解した……
アイリスとフォレストドラゴンは短く言葉を交わした後にゆっくりと羽ばたいて陣営の上空へと上昇し、上空に到達したアイリスは業火に包まれつつある陣営を見下ろしながら使い魔達からもたらされる全般状況を確認した。
「敗残兵を収容してた連中は収容と陣営への救援を放棄して退却を始めたみたいね、戦力は今までに回収した敗残兵を加えて1個中隊少々って所かしら、最後の最後に少しはマシな方策を採ったみたいね、北と東の外哨拠点の連中は、泡を食って陣営に戻ろうとして待ち伏せしてた魔狼連中に襲われてるわね、馬鹿な連中、牡蠣みたい閉じ籠ってたら見逃してあげたのに」
アイリスがそう呟いていると外哨拠点と増援部隊を血祭りにした別動隊の火蜥蜴、装甲火蜥蜴、ポイズンサーペント、ジャイアントマンティスに魔狼部隊とスケルトン部隊が次々に姿を現し、それを確認したアイリスは魔王に相応しい凄絶な笑みを浮かべながら口を開く。
「さあ、総仕上げに入りましょう、別動隊甲、乙は展開してあたしや魔龍と共に陣営に集中射撃を実施、別動隊丙及びスケルトン、魔狼部隊を退路脇に散開潜伏して脱出する敗残兵を掃討、撤退している連中は見逃してあげるわ、それじゃあ始めましょう、素敵なパーティーを……ダーク・サンダーストーム」
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