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episode 11 私ができること
初めましての方も、そうでない方もこんにちは~!
月日が流れるのって、ほんと早いわよねー。
この連載が始まって3ヵ月も経っちゃったわよ!
さぁ、今日もさっそくメッセージを紹介するわね。
『先日、幼馴染み(♂)からゲイだと
カミングアウトされました。
正直、戸惑ってしまい、
咄嗟に話題を変えてしまいました。
幼馴染みのことは今までと変わらず
家族みたいに思っているし、
ゲイについても自分なりに調べて
少しですが知れたと思っています。
だから、もっとちゃんと話を聞けば
よかったなとか、
傷つけてしまったんじゃないかなとか、
今さらまた話題にしていいのかなとか、
どんな態度で接すればいいのかなとか、
悩んでしまいます。
私はどうすればいいのでしょうか?
P.N はちみつカリン』
そっか、そっかぁ。
はちみつカリンさんは、一所懸命に幼馴染みの彼と向き合おうとしてるのね。
その気持ちがあるなら大丈夫よ。
結論から言っちゃうと、思ってること全部口にしちゃえばいいのよ。
このメッセージをそのまま彼に伝えちゃいなさい!
セクシャルマイノリティーの当事者の1人としてさ、こんな風にいろいろ考えて、悩んでくれる人が身近にいるのは、とっても心強いなって思うから。
理解してもらえないのとか、受け入れてもらえないのも辛いんだけど、気を遣われるのも案外しんどいのよねぇ。
だから、あなたが思ってること全部ぶつけちゃって、それから彼が何を望んでいるのか聞いてみなさいよ。
その答えは同じゲイでも人によって違うと思うの。
あなたには何ができるのか、彼と一緒に考えればいいんじゃないかな?
カミングアウトするのって、すごく勇気を出さなきゃできない場合が多いのね。
私も初めてダーリンや親友に打ち明けたときは、とっても怖かったもの。
今はあっけらかんとしてるけどねー、あはは。
たくさん悩んで、考えて。
思い切って決断したことなのよね。
たださ。
とあるゲイの方が言ってたことなんだけれども。
カミングアウトするほうは、そうやって心の準備もしたうえで告げるじゃない。
でも聞かされるほうは、ある日突然なのよ。
なんの心構えもない状態で、いきなり言われちゃうのよね。
秘密って言ったら大袈裟かもしれないけれど、すっごくプライベートなことを背負わされちゃうの。
相手のことを信用できると思ったから告げるわけなんだけれども、それはカミングアウトするほうのエゴなんだよ、って。
だから、戸惑って当然だし、場合によっては拒絶したくなっても仕方ないことなんだよね。
はちみつカリンさんも戸惑ったわけじゃない。
でも、幼馴染みくんのことを知ろうと調べたりしたんだよね?
おそらく、彼にとってはそれだけでも嬉しいことよ。
しかも、今までと変わらず家族みたいに思ってるだなんてさ……。
ありのままの気持ちをちゃんと伝えてあげて?
きっと、涙が出るぐらい安心できると思うから。
2人の関係が、こらからも素晴らしいものになるって信じてる!!
あらやだ、珍しく短くまとめられたじゃない(笑)
せっかくだから、もうちょっと語っちゃおうかな~。
一括りに“セクシャルマイノリティー”って言ってるけど、実は大きく2つの分野に分けられるのは知ってるかしら?
“性自認”と“性的嗜好(指向)”って言うんだけれどね。
まず“性自認”。
これは、自分が自分自身の性別をどのように認識しているか、ってことなの。
心の性、なんて言ったりもするわね。
心と体の性が一致する人もいれば、一致しない人もいるし、そもそも“男女”という概念に縛られない人だっている。
トランスジェンダーやXジェンダーって聞いたことあるかしら?
もっと細かく言うと、心も体も認識している性は一致しているけれど、異性の格好をすることや異性っぽい喋り方をするのが自分らしい! と感じてる人や。
心と体の性が一致しないと思っているけれど、外科的手術までは望んでいない人や。
心と体の性が一致しないから、外科的手術をしたいと思っている人とか。
いわゆる、トランスジェンダーと呼ばれる人たちにもジャンル分けされてたりするのよね。
私は一番最後の、心と体の性が一致していないから手術して可能な限り異性の体に近づけた人、ってことになるわ。
さらに、どこまで手術すれば納得できるのかは、人によって本当に様々ね。
ホルモン治療だけで充分って人もいるし、とことん改造しちゃうって人もいるし。
“自分らしさ”を表現するにあたって、どういうジャンルに分類するかってことだと思ってる。
それから“性的嗜好(指向)”について。
まずは説明する前にちょっとお詫びがしたいの。
実はepisode6.5のときに「“嗜好”じゃなくて“指向”ですよ」って指摘をいくつか頂いてね。
今まで深く考えずに、人を好きになることだから、趣味嗜好と同じような感じで“嗜好”でいいんじゃないの? って思ってそっちの漢字を使ってたんだけれども。
なんだか、結構議論の的になってるみたいね。
びっくりしちゃった。
簡単に説明すると。
“指向”を使うと、どんな人を好きか。
“嗜好”を使うと、どんな人が好きか。
って私は解釈したんだけれども。
ぶっちゃけ、どっちでも良くない?
って思っちゃった、あはは。
いや、笑い事じゃないわよね。
真剣にこの話題に向き合ってる人もいるんだもの。
なんていうか、“嗜好”だと、ちょっと変態的要素が含まれる使い方を連想する人がいるみたいなの。
小さい子供にムラムラ来ちゃうようなやつとか、ハードなSMとか、なんかそういうやつ。
だから、それとは区別したい! って思う人がいるのも当然よね。
SMは当人同士が良ければいいんだけれど、子供が対象になっちゃうのは現代社会のモラル的にやっぱり、ね……。
他にも理由はあるんだろうけど、私が思ってる以上に区別する意味があると考えている方々がいらっしゃるのよね。
ちょっと浅はかだったな、と反省しました。
でもまぁ、やっぱり私としては恋愛も、趣味や食べ物の好みとかと同じようなベクトルだと思っちゃうから、これからは見づらいかもしれないんだけれど、両方の表記でいこうと思います!
ご指摘してくださった皆さま、細かいとこまで読んでくれてありがとう!
そして、私の認識不足のせいで不快な思いをさせてしまった皆さま、ごめんなさい。
これからも何かあったら、どんどんつっこんでね!
ではでは、話を戻して。
“性的嗜好(指向)”っていうのは、どういう人を恋愛や性の対象として見ているか、という意味で。
異性が好きな人。
同性が好きな人。
異性も同性も好きな人。
性別にとらわれないで、人間そのものが好きな人。
いろんなパターンがあるわ。
人間以外のものが対象になる人だっているし、恋愛感情を全く抱かない人だっている。
“性自認”と“性的嗜好(指向)”を組み合わせると、本当に様々なタイプに分けられるんだよね。
それでややこしくなってくるのが私みたいな人じゃないかしら?
私ってさ、いわゆるオネェとかゲイとかに思われちゃうことが多いんだけれども。
厳密に言うと、どっも間違いなのよねぇ、これが。
実は、セクシャリティって元々の体の性じゃなくて、“性自認”のほうで考えるものなんだって。
私は、生まれたときの体は男で。
でも心の性は女で。
好きになるのは男性なの。
だから「私は女で、異性が好き」ってことになるんだよねー。
大丈夫? ついてこれてる??
そこらへんの話は、セクシャルマイノリティーの人たちの間でも間違って認識されていることもあるの。
多様すぎるんだもの。
わけわかんなくなったって、当然だと思う。
大事なのはさ、セクシャリティとかマイノリティーとか関係なく、人はそれぞれ特徴があって、素敵なところがあって、たまには困ることもあって。
十人十色なんだよ! って話。
セクシャルマイノリティーのシンボルが虹なんだよね。
七色の虹のように、皆それぞれ違うカラーがあって素敵なんだよってことを表しているんだと思うの。
日本だけじゃなくて、世界でもそうなんだよ。
全ての人を理解して受け入れろっていうわけではないんだけれどもさ。
セクシャリティだけを切り取って「普通とは違う」って思うのは違うかなーと。
周りと同じところも違うところも、本当はみーんな持ってるものなんだよね。
私がよく言うのは、セクシャリティも名前や出身地とか、性格とか趣味とかと同じように、その人のパーソナリティーの一部でしかないんだよってこと。
そんな風に考えられたら、セクシャルマイノリティーもそこまで特別な感じがしないんじゃないかなぁと思うの。
そのうえで、合う合わないがあってもそれは仕方ないことだもん。
好きな人もいれば嫌いな人もいるじゃない。
私はそう思えたから、ちょっと気持ちが楽になれたな~。
あらやだ!
気づいたらこんなに喋っちゃったわ。
本題よりも長くなっちゃったじゃない(汗)
はちみつカリンさん、ごめんなさいね。
でもこの話はいつかしたかったから、きっかけをくれてありがとう!
ではでは、ここまで読んでくださってありがとうございました。
また次回、お会いしましょう!
まったね~ヾ( ・∀・)ノ
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