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「えっ、えっ?何でわかったの?私顔に出てた?」
訳がわからず聞き返すと
「梓じゃなくて、凛太郎センセーの態度見てたらわかるよー。あー、凛太郎センセー梓のことよく見てるなーって。あれは幼なじみを見てる視線じゃないなって…………
他の子たちは、梓と凛太郎センセーはただの幼なじみだって安心してるみたいだけど、梓の近くにいた私の目は誤魔化せないよー」
そう言って、嬉しそうに私の肩をぽんぽんと叩いた。
まだ、きょとんとしている私に
「梓、気付いてなかっただろうけど、毎朝、凛太郎センセー出勤してきたら一番に梓の担当の患者確認して、最初に回って梓が困らないように先に指示出してたんだよ。時々梓のこと見てたし、梓が振り返るとさっと視線そらして……また梓が違う方見たら視線で追って。
一見わからないようにしてたけど、梓の近くにいたら何度かそんなことあったしね」
思い出したのか、三咲が可笑しそうに笑いだした。
「絶対に凛太郎センセー、梓のこと好きだと思ってたんだよね!報われてよかったねー」
「そうだったの?」
凛太郎そんなことしてたんだ。
それに、確かに何度か見られてる気はしていた。
気のせいかなと思ってたけど、やっぱり間違いじゃなかったんだ。
「あのほっぺた叩いたの梓でしょ?」
にかっと笑いながら、私の左頬を指差した。
「…………あ、うん…………」
「まあ、何があったかは詮索しないけど、あれだって上手く誤魔化そうと思えば凛太郎センセーならやれたはずなんだよね。あっさり認めたってことは、絶対に本命!周りに隠す気なかったってことだよね」
そう言われれば、凛太郎ならさらっと受け流せただろう。
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