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19時より20分ほど前に到着した。
イタリアンレストランで、内装はアンティーク調。
どこか懐かしく感じる、お洒落で落ち着いた雰囲気のお店だった。
正直、高級そうなレストランを指定されたら、緊張して終始そわそわしていたに違いない。
私の反応も予測していたんだろう、ややカジュアルめでリラックスできるレストランを選んでくれた、凛太郎の心遣いを感じる。
凛太郎は、まだ来ていなかった。
一番奥の、人目に付きにくいテーブルに通された。
いよいよ凛太郎とデートなんだと思うと、やっぱり少し緊張する。
………気合い入りすぎとか思われないかな?
窓ガラスに写った自分の顔を、もう一度チェックする。
少し前髪を整えていると、携帯の着信音が鳴った。
『悪い。今、病院出た。少し遅れる』
SNSのメッセージが届いた。
時計に目をやり、今出たのなら30分くらいかかるかな……と、ふーと息を吐き出した。
仕事がなかなか終わらなかったんだろう。
看護師でもこういうことはよくあることで、時間に遅れることは、さほど気にならなかった。
『了解です。急がなくていいからね』
返事を返すと、少し緊張が緩んだ。
付き合い始めてから、初めてのデートで誕生日。
どんな会話をしたらいいんだろう…………
最近の凛太郎は、無駄に色気をばら蒔き過ぎて、正直困る。
電話でも赤面してしまうのに、正面に座られて平静を装えるかわからない。
また、窓ガラスを見ながら表情を作る練習をしてみた。
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