エピソード8 愛されるということ

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シャンパンと料理が運ばれてきた。 「じゃあ、改めて。…………梓、誕生日おめでとう」 「……ありがとう」 軽くグラスを合わせて、くっとシャンパンを口に含んだ。 酸味とほんのりとした渋味が、炭酸とともに喉を潤した。 緊張で喉が乾きぎみだったので、もう一口飲み込んだ。 料理もとても美味しかった。 私好みの料理が運ばれてくるので、テンションも上がってしまう。 凛太郎が私の好みに合わせてくれているみたい。 子供のころから味覚はそんなに変わってないんだけど、よく覚えているものだな、と感心してしまう。 「今日、仕事だったんでしょ。なかなか終わらなかったの?急かしたんだったらごめんね」 仕事を巻いて来たんだろうか。 そんなに急がなくても、連絡さえくれれば待てたのでつい気を使ってしまう。 「いや。仕事は終わってたんだけど、出しなに牛嶋先生たちに捕まってしまって……」 「なんで?」 「いつもと格好が違ったからなのか、デートなのかって聞かれたから、そうですって答えたら囲まれて質問攻めに合った…………」 思い出したのか苦い顔をした。 「えっ、何聞かれたの?」 「んー、まぁ根掘り葉掘り色々と…………」 濁すところを見たら下世話な話なんだろう、何となく想像がつく。
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