エピソード8 愛されるということ

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そんなことより 「私のこと言ってないよね」 思わず前のめりになってしまう。 凛太郎が、にやっと笑いながら 「さあ、どうだろう」 と言うもんだから、思わず立ち上がってしまった。 「嘘でしょ!やめてよね!そんなこと言わないでよ!」 思わず声を荒げてはっとした。 また、やっちゃった………… これじゃあイケメンに弄ばれて、癇癪を起こしてる痛い女みたいじゃないの………… 固まる私を見ながら、凛太郎はくくくっと笑いを噛み殺した。 周りの席の人も、何事かとこちらを見ている。 「お前が嫌がるのわかってるのに、言うわけないだろ。大丈夫だから座って………」 まだ笑いを噛み殺している。 恥ずかしすぎて隠れたい。 凛太郎が、周りの席とウェイターに軽く頭を下げる。 周りの人たちも『大変ね』と言うように、会釈するのが見えた。 ストンと椅子に座ると、うつ向いてしまう。 「凛太郎…………ほんとに私をからかうの止めてくれない…………」 消え入りそうな声が出た。 「ごめん、怒るなって。いい反応するからつい………」 よしよしと頭を撫でられた。 くやしいけど、やっぱり凛太郎にはかなわない。 「…………今日、全部奢りなら許す」 「当たり前だろ」 しょうがないので、のそのそと顔を上げた。
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