エピソード3 再会

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昼からも、キーホルダーの呪いは続いた。 もうここまできたら、占い通り越して呪いで間違いない。 男性看護師の小島隼人(こじまはやと)から、ケアを一緒に頼まれた。 「櫻井、手空いてたら飯島さんの体一緒に拭いてくれない?」 飯島さんかぁ、苦手だけど、そんなことは当然断る理由にはならない。 「いいよ」 私はやりかけの薬の整理を終え、隼人の後を追った。 飯島さんは、糖尿病を患って、右足の切断を余儀なくされた。 それに関しては可哀想だとも思うけど、正直そこまでほっといた自分にも非があるとも思ってしまう。 68歳で、体重が100㎏を超えた、かなり恰幅の良いおじさん。 厄介なのは今時、男性優位の価値観がやたら強いこと。 案の定。 「小島くん、いつもありがとな。男は力があっていいわ。女はどうも非力でいかん。そんなひよっこくて、俺の体が支えられるんか?」 『じゃあ、痩せろ!』 心の中で叫んだけど、表情はにっこり。 「力がなくてすみません。お体を拭くお手伝いはできるので、できることはさせてくださいね。飯島さんもリハビリがてら、横向くの手伝っていただけると助かります」 下手に出ながらも、協力のお願いは忘れない。 「こんなに足が痛いのに、自分でしろっていうんか?女は怖いな」 必ず嫌みが返ってくる。 無視無視。 いちいち気にしてられない。
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