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占いなんて見なきゃ良かった。
肩の力をガックリ落としながら廊下を歩いていると、タイミング悪く凛太郎と会ってしまった。
ばつが悪く、サッと顔をそらしたのに、凛太郎は私の前でピタッと止まった。
「派手にやらかしてたな」
苦笑しながら上体をかがめ、私の目線近くまで覗き込んできた。
無意識に2歩ほど後ろに下がる。
「ほっといてよ。今日は何かとツイてないんだから」
口を尖らせふて腐れた顔をした。
「杉浦先生じゃないけど、ほんとお前、今日は何かあったのか?」
「何かあったのかは、私が聞きたいくらいよ。ことごとく上手くいかなくて落ち込んでんだから、ソッとしといて」
フイッとさらに顔を背けた。
また1歩、今度は凛太郎が前に歩み寄ってきた。
目だけ凛太郎の方を見やると、凛太郎の顔が思いの外、近かった。
その距離感に、思わず麗奈との昼休みのやり取りがフラッシュバックした。
「…………距離近い。間宮先生といるとロクなことない」
…………完全に八つ当たりだ。
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