エピソード3 再会

26/28
前へ
/849ページ
次へ
凛太郎の普段見せない真剣な表情に、汗が吹き出す。 そんな、真面目な理由じゃないんだって! 目を泳がせながら、どう言い訳するか考えを巡らせていたけど、上手いことは思い付かず、観念した。 ふーーーっと、長い息を吐いて、朝の出来事を説明した。 最初は真面目な顔で聞いていた凛太郎も、次第に笑いを堪えるのに必死なのか、小刻みに震えだした。 だから、言いたくなかったんじゃん。 ぷっと剥れた私を見て、もう無理とばかりに吹き出した。 「あーっははは!なんだそりゃ。はははははははっ!」 これ以上ないってぐらい、高笑いしたかと思うと、今度は腹を抱えて笑いを堪えている。 うっすら目に涙まで浮かんできた。 ぷーっとほっぺたを膨らませていた私も、あまりにも凛太郎が笑うもんだから、ふふっと、つられて笑ってしまった。 ふふふ。何だか、もうどうでもいいや。 可笑しくて、クスクスと笑ってしまう。 ふっと、凛太郎が私の顔を見て笑うのを止めた。
/849ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11549人が本棚に入れています
本棚に追加