エピソード3 再会

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ほどなくして、凛太郎が戻ってくると、立ったまま 「手、出して」 と、促してきた。 私が右手を開くと、ポトンと手のひらに何かが落ちた。 それは、バスケットボールのキーホルダーだった。 パッと凛太郎を見上げると 「今日だけ貸してやる」 と、にやっと笑った。 「これ以上問題起こしたら、お前、飛び降りでもしそうだしな」 縁起でもないことを言った。 「……ありがとう」 「一個貸しだからな」 凛太郎は、いつものように右の口角を上げ、いたずらっ子のように笑った。 不思議と、嫌な感じはしなかった。 凛太郎のキーホルダーのお陰なのか、この日はこれ以上面倒なことは起こらなかった。
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