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「えっと…………」
返答に困って凛太郎の方を見上げると、笑いを堪えるような顔で私を見ていた。
確信犯だ!
とっさに、凛太郎の左手を叩いてしまった。
「どうしたの?二人でいちゃついて」
後藤さんも悪気はないんだろうけど、声が大きい。
「いちゃついてません!」
周囲の視線が痛い。
もう、穴があったら入りたいとはこのことだ。
「まぁ、また何かあるかもしれないから、そのうち返してくれたらいいから」
ポンっと私の肩を叩き、凛太郎は行ってしまった。
あのヤロー!!!
これでもかとばかり、睨み付けてやったんだけど、もうどうしようもない。
後藤さんを上手くかわすこともできず、翌日には、私の『占い好き』の噂は広がってしまったのだった。
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