エピソード4 凛太郎の謎

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ハッとして、パソコンに向き直った。 「また見つめてたでしょ。もしかして、ホレた?」 「………………っ!」 明らかに笑いを含んだ声に、かっと耳が熱くなった。 「ばかっ」 急いで周りを見回す。 そんなやり取り聞かれたら、また余計な噂が立ってしまう。 幸いなことに、周りはざわざわしており、各自自分の仕事に集中しているようで、振り返る人はいなかった。 ホッと息を吐いた。 「見てない」 「見てたでしょ」 「考え事してただけ。変なこと病院で言わないで」 声を潜めて、凛太郎を睨んだ。 ヒュッとまた、小さく口笛を吹き首をすくめた凛太郎を見て、この人は一体何をしたいんだろうと、不思議な思いで、見つめるしかなかった。
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