エピソード4 凛太郎の謎

14/23
前へ
/849ページ
次へ
凛太郎を中心に、キラキラした若い看護師が、前のめりに凛太郎を囲んでいる。 麗奈は凛太郎の左腕に手を回し、おっぱいが触れるんじゃないかというくらい、密着していた。 さすがに、凛太郎のそういう現場を目にしたのは初めてで、軽く面食らってしまった。 デレデレして!!! いや、デレデレしているかなんて、遠目にはわからない。 でも、私にはそう写ってしまったんだから、仕方がない。 飲みの席だし、邪険にはできないだろうけど、場所をわきまえてほしい。 胸の奥から、ムカムカするものが湧き上がってきた。 湧き上がる苛立ちを押さえるかのように、お酒を飲み干した。 会も佳境に入り、出し物やクイズなんかで、会場は大いに盛り上がっていた。 最後に恒例行事、各自一言ずつ今年のストレスをぶちまけて仕事納めしよう、みたいな企画があり、マイクに向かって、不満を叫ぶことになっている。 「もっと給料上げてー!」 「ミスしても怒らないでくださーい!」 「彼氏浮気するなー!」 「主人のいびきうるさすぎー!」 各自思い思いに不満を叫び、お酒が入っていることもあって、会場は笑いや拍手に包まれ、意外と盛り上がる。
/849ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11532人が本棚に入れています
本棚に追加