エピソード4 凛太郎の謎

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「別に、デレデレしてない」 そう言うと立ち上がり、私のところまで歩み寄った。 まったく、と呆れたような顔をしながら、口元を意地悪く歪めると、私の顔に手を伸ばしてきた。 ……何?と警戒する私に、思いっきり『パチーン』と、デコピンした。 「痛!」 私はおでこを押さえて、1、2歩後ろによろけた。 ざわっと周りの緊張が緩んだ。 「もう、待ったなしだ」 私にそう言うと、全体の方を振り返り 「この度は、俺の相方が突拍子もないことを言い出して、すみませんでした。愛ある注意と受け止めて、俺も気を付けますので、どうかこの場の空気を乱したこと、許してやってください」 そう言うと、私の後頭部に手をやりお辞儀させると、自分も深々と頭を下げた。 何を見せられたのか、ぱちくりしていた人たちも、自然発生的に拍手をしだした。 頭を下げたまま 「後で、反省会な」 私にだけ聞こえるように、凛太郎はそう言った。
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