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その時の凛太郎の目が、物凄く優しくて、また胸がきゅんと震えた。
それに、嫉妬する凛太郎は妙に可愛いくて、そんなに想ってくれてたんだって物凄く嬉しくなったし、愛おしい気持ちが湧いてくる。
凛太郎だって嫉妬もするし、怒ったりもするんだ…………知らなかったな。
「そんな凛太郎も大好き………」
「………馬鹿、梓。今言われても何か嬉しくない………
全然かっこつかないだろ…………」
また少し拗ねた顔をした少年っぽい凛太郎が、やっぱり可愛かった。
「凛太郎………今度からは、思ってることもっとはっきり言ってくれていいから………私、ちょっと鈍いみたいだし………」
「ようやく気付いたんだ………本当に手がかかる………」
「でも、好きなんでしょ?」
「調子に乗るな………」
そう言うと、凛太郎が私の腕を引っ張り、胸の中に抱き寄せた。
「あー、何で俺ばっかりこんなに好きなんだろうな………」
「私だって好きよ………」
「じゃあ、今すぐ結婚しよっか………」
「今すぐは…………」
「ほら」
くしゃくしゃと私の髪を撫でて、凛太郎が私の額にそっと唇を押し当てた。
「言っとくけど、俺は梓以外、考えられないからな。
梓がその気になるまで、頑張って待っとくけど、今回みたいなことがあったら、また嫉妬するから、覚悟しといて………
結婚が全ての答えじゃないのはわかってるけど、梓は俺だけのものだって堂々と周りに言いたいし、見せつけてやりたい。梓を独り占めしたくて堪らないんだから、そろそろ真剣に将来のこと考えてくれよな………
梓と人生、一緒に歩いて行きたいって、本気で思ってるから、よろしく頼んだよ………」
「………わかってる」
力強く抱き締められながら、凛太郎の言葉に、胸が震えるようにときめいた。
凛太郎の言ってること、もうほとんど、プロポーズじゃない…………
…………こんなに想ってもらえて、嬉しくないはずがない。
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