とある戦後の話、彼女と行く立山登山

故郷、富山へ

　世界人類国家連合と深海軍の間で繰り広げられた、種族の存亡をかけた全面的な武力衝突のことを人類側では『深海戦争』と呼ぶ。

　開戦当初、人類連合軍を強大な戦力で圧倒した深海軍だったが、その深海軍の中から人類側へ寝返った者たちがいた。彼女ら深海人の中にも、人類を同じ世界に生きる隣人として、共存を願う者たちがいたということだろう。
　とにかく、彼女らの協力のお陰で人類は傾きかけたミリタリーバランスを五分に持ち込む事が出来、休戦協定へもっていくことができたのだ。

　亡命してきた深海人、彼女たち人類側に付いてから生み出した新しい種族。人々は彼女たちの事を、尊敬と畏怖を込めて呼んだ。

　『fleetgirl』と……。