故郷、富山へ

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 そんな彼女の見た目だが、濃灰色のセーラー服を着た少女。推測年齢は高く見積もっても10代前半の中学生くらい。まあセーラー服は学生服ではなく、海軍に属していた俺の部隊の制服なんだが。  そして恐ろしく整った顔立ちはまだ幼さが抜けきってはいないが、将来は確実に美人になると約束された美少女。  それだけならごく普通の少女なのだが……  白に近い銀髪と、ルビーの様な深い真紅の瞳という、普通の人間にはあまり見られない異質な特徴。  彼女はただの人間ではなく、ルーツは『深海人』。  人類の敵。ほんの1年前までは海洋を血と炎で赤く染め上げ、我々人類を滅ぼさんと戦いを挑み、10年間戦争を繰り広げた、別の種族。  その深海人と同族にあたる……。
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