勲章

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イラストレーターの仕事は、周りが思っているよりもずっと過酷で地味な仕事だ。 まず他の仕事と描きたい人間はいくらでもいるので、単価は安い。 有名になれば単価が上がると思われがちだが、誰もが知っている名作の作者でも連載が終われば次の作品の出来次第では契約を切られることだってある。 超実力主義、成果主義の世界。 クリエイティブの世界はどこもほとんどそうだろう。 漫画家やイラストレーターに限った話ではない。 ゲームクリエイターも、音楽家も作家もそうだ。 他の仕事に就いて一カ月死ぬ気で働けば稼げるかもしれない金はクリエイターの一年分の給料だったりする。 金ではないところで納得できるなにかがなければ、とてもやっていけない世界だ。 しかも納期は厳しく、要求は高い。 2日徹夜で描いても電話一本で描き直して欲しいと言われもする。 ポーズを変えて欲しい、色を変えて欲しいということになれば、ほぼほぼ描き直しということもあり、周りが思っている以上に表現の自由はないし、普通に仕事なのだが、なにぶんイラストを描いたことのない人には簡単にやっているように見えるようで、なにを言っても理解されないことがほとんどだ。
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