本当の色

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「三音さんあの部屋の天井怖いんじゃろ?」 聞こえてたのか。 「じゃあ、一緒に寝よかな」 やった、と言うなり小夜は俺の布団をずるずると隣の部屋へ引っ張っていった。小夜の部屋は、俺たちが眠っていた客間とふすま一枚を隔てたところにあった。 「じゃったら天井も一緒って思うじゃろ?でも、みて」 そう言って小夜は部屋のあかりを消した。すると天井に星があらわれた。それらはきらきら、というより、ぼんやりと、やわらかな光を放っていた。 「きれい」 「昼間に光を吸うて、夜に光るんよ。中学の頃につけたやつじゃけ、まあまあ光弱くなっとるけど。でもこれで怖くないじゃろ」 小夜がパチンと電気をつける。それは、星の形をした小さなプレートだった。それを天井にくっつけているんだ。小夜の部屋にはフローリング風のカーペットが敷いてあり、ベッドが置いてあった。壁紙もクリーム色のかわいいものに貼り替えてあって、和室をどうにかして洋風にしようとした努力がみてとれる。ふと壁に立てかけられたギターが目に入った。ずいぶん古そうなアコースティックギターだった。 「これお父さんが弾いとったやつで、兄ちゃんが使いよったの。今は私の」 「弾いたはんの?」 「一曲しか弾けんのじゃけど」 「なに?」     
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