本当の色

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ということは俺の二つ下だ。 「来月から京都くるけ一緒に住むから」 「え」 「大学も一緒」 「ええ」 「お前は今まで通りおったらええ。あいつは人見知りしんから。お前が受け入れるかどうかじゃ」 振り返ると、海が静かに揺れていた。 ・ 「ただいま」 「こんにちは」 急な斜面に建ったその家はいかにも古民家といった雰囲気をたたえていて、玄関をあけると、女の子が廊下の奥から飛び出してきた。 「兄ちゃん!ああ!こんにちは!」 言うなりまた奥に引っ込んでしまった。 「おかあさん、兄ちゃん帰ってきた!彼女さんすごい美人じゃ!どうしよう!」 高い声が家中に響き渡る。ああ、と彼は頭を抱えている。こんな表情もするんだと思った。 「そうか、俺、女に見えてるんや」 「彼女って言うたからの。嫌か」 首を左右に振った。 ・ 居間に入ると、さっきの女の子と、彼の父がこたつにあたっていた。こたつの上にはみかんがのっていて、そんな光景はフィクションの中でしか見たことがなかったからとても驚いた。 「こたつ」 「ああ、うちはみんな寒がりじゃけ。いっつも五月なるまでだしとる」 「遠慮しんと、入りい」 彼の母がお茶を淹れながら言う。 「ありがとうございます」     
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