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「じゃあ、いくらだよ。」
「…3万円。」
「分かった。」
手首が解放された代わりに、手を握られる。
…冗談で言ったのに、分かったって、本気?
複雑な気持ちのまま着いた、白い南国リゾート風のラブホテル。
慣れたように画面を操作して部屋に向かう彼は、中に入るとすぐにキスをしてきた。
「やっ、ちょっと待って…」
「待たない。」
ふわりと体が浮いて、キングサイズのベッドの上に乱暴に落とされる。
私の上に馬乗りになった彼に服を脱がされて、あっという間に一糸まとわぬ姿となってしまった。
「ヤラシイ体。」
「やだ…裕人、」
「もう遅い。」
また唇がくっついては離れて、すうっと二の腕から肘を辿って添わされた手が私の指を捕まえる。
頭の上でネクタイで両手を縛られて、私が知ってる裕人じゃなくて少し怖いのに、体は正直でくちゅりと音が響くたびに中心が熱くなってゆく。
彼の骨ばった手が胸に触れて、それだけでも奥が疼くのに、左の頂にしっとりした唇が触れた瞬間、体が震える。
「あっ…やだ、やめて。お願い…」
「俺も菜々を買ったの。今更やめられるわけねーだろ。」
「ああっ!」
お腹に赤い印をつけられた後、脚を開かれて彼の顔が埋まる。
一番良いところを吸ったり舌で弾かれたりして、体に電流が走っているかのようにピクピクと反応してしまう。
そんな私を見た彼は、今度は2本の指で中をかき混ぜる。
冷たい指が気持ちよくて、苦しくて、目前の快楽に溺れてゆく。
「も、だめ…!」
頭の中が真っ白になって、だらしなく口を開けながら震える姿はとても滑稽なものだろう。
でも一度知ってしまったこの快感は、癖になって抜け出すことはできない。
ぐったりと横たわっていたら、ベルトを外す音が聞こえて、ハッとして彼から遠ざかる。
「逃げても無駄だって。もう諦めて。」
「嫌っ…」
私の声など聞こえていないのか、ぐっと充てがわれたソレは何度か入り口を擦った後、ゆっくりとこじ開けるように入ってきた。
大きくて熱くて、自然と漏れてしまう声を我慢する為に、口元を縛られたままの手で覆う。
「きついな…」
心は嫌がっているのに、体が彼を求める。
苦しそうに顔を歪める裕人に腰を掴まれると、一番深いところに当たった。
「あっ…ん、」
「奥が好きなの?とんだ変態だな。」
「うるさっ…ふっ…んん!」
スピードを徐々に上げる彼に、またいきそうになるのを堪える。
肌がぶつかり合う音とお互いの息遣いが、私達を煽るように部屋に響き渡った。
「声、聞かせて。」
口を覆っていた手を掴まれて、自分でも未だに聞きなれない甘い声に顔が赤くなる。
だめだ、またいっちゃう。
「…っああ!」
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