episode 1 プロローグ

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episode 1 プロローグ

ここは大都会の真ん中に存在する不自然な場所。   一見すると大きな緑地のようにも見てとれる。   緑に囲まれたその中心にあるのは、大きな屋敷だ。   外部からはハッキリ見えないような造りになっている。    都会には不釣合いの自然あふれるこの場所。  目を向けずともわかる存在感たっぷりの場所。     だがそこが孤児院だということを知るものはごくわずか。 そこでは、たくさんの孤児たちが生活を共にしていた。   だが、そこに住む子供たちの存在は現実社会から切り離されている。   隠されているのだ… そのような子供たちが存在するという事実自体を… 孤児たちの親はこの都会にあふれる金持ち達。 子育てを放棄し自分の子供たちに愛情を抱くことも無く邪魔な存在として扱い、大金を積む代わりにと親の責任から逃れようとする。   そんな子供たちを引き受けるこの孤児院は、院長の善意と一部のボランティアで成り立っている。     院長は年老いた富豪の未亡人だ。       皮肉にも悪辣(あくらつ)な金持ちたちに求められ、善良な金持ちにより成り立っている。     
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