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「…これはこれは、大騎士自らこんな人里離れた山に来るとは…この私めになんの御用ですかな?」
屋根裏へと続く廊下で俺が見張りのように立っていると、少年Bが連れて来た複数の騎兵に向かって青年Bは意外そうな感じで問う。
「…今日はラニ卿にお尋ねしたい事があったのでな」
「私はもう何も要職に就いて居ないただの一般人ですよ、ジャレンフ大騎士殿」
「…どうだ?私と一緒に来ないか?あの戦いにしか興味のない愚かな王はもう居ない、その才能をココで腐らせるには惜しい」
青年Bの笑いながらの皮肉が混じった言葉を聞いても全く気にする様子はなく、逆に男は勧誘し始める。
「王は死んだのですか?」
「…死んだ、とは聞かされていないが襲撃されて行方不明。だと聞いた、どちらにせよ復権はもう無理だろう」
「そうですか…ううむ、私もこのままの生活でいいのか?と考えてましたが…」
青年Bの問いに男が顔をしかめたように返し、わざとらしく悩んだように呟く。
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